丁抹よろず帖

北欧デンマークに在住のメンバーから、生活感溢れるデンマークをお届け
2009/05
30

秘密という言葉のマジック



久しぶりにペダゴッグのお話しです。


水曜日の午後、ブルールームで子供たちとお絵かき。

子供たちはそれぞれ自分のファイルを持っていて、自由に絵を描いていいシステムにしたのは去年の夏。

ところが、夏以降、新しいアシスタントや代行の人が増え、目的である子供が経験したことや聞いたことを絵にする能力、そしてその絵について友達や大人に話をする言語トレーニングが薄れてきてしまった。
ここ数ヶ月ちびっ子がコピーした塗り絵ばっかり欲しがったり、家から塗り絵の本を持ってくるのがトレンディになってしまって、アートペダゴーとしては傾向が悪いな、とずっと思っていました。

他のスタッフにもリーダーにも話さず(笑)思い切って今週は塗り絵なし、お絵かきを通してファンタジーを活性化させることに決め、お知らせを書いて親との連絡掲示板に張っておきました。
他のスタッフのバックアップも特になしで(笑)


そして、この水曜日、数人の子とお絵かきをし始めた途端、アシスタントのマーティンが部屋に入ってきました。 彼はこの日がお誕生日だったので、おめでとう?!と言うと子供たちが何歳になったの?と聞いてた。
「28? わぉ!」と3?6歳の子供たちにとっては28という数は無限に近いくらい大きな数。


さて、彼が部屋を出て行った途端ひらめきが! ぴかーん!
みんなに小さい声で、プレゼントに絵を描こう!と言ってみる。
今から彼の名前は言っちゃだめだよ、聞こえるからね。と「秘密」という言葉でみんなの目が光り、緊張感とわくわくのテンションがあがる(笑)

色画用紙をA6サイズに切って、それぞれに渡す。
女の子7人くらいと男の子1人。 でも途中で2人消えていった(笑)
すごい集中力と、友達の絵をみたり、自分の絵の説明をしたりしてお互いにアイデアの交換をしている。
なんといっても、日ごろ塗り絵ばかりしてる子が自分で絵を描くきっかけになったのは大成功!目標一人達成?

実はこの子、月曜日に私に向かって、
『お父さんが塗り絵の本を持っていっていいかどうか私が決めるこっちゃない!と家で言ってた』、と結構攻撃的な口調で言ってきた。
子供は正直だから父親の勢いををそのまま私に向かって強気で言って、私は一瞬、唖然、そして凹んだ。 
でも専門家としての信念はゆるがないので、いつでも文句言ってらっしゃい、そしたら細かく説明してやる!と心の中で誓ったのでした(笑) 何も言ってこなかったけど。


さて、子供たちはデンマークの国旗を描いたり、マーティンの似顔絵を描いたり、私はバースデーケーキに長いキャンドル2本(1本が10歳分)、短いキャンドル8本、これで28歳分。
最後に計9枚のミニ作品を一枚の紙に貼り、一人の女の子に、Tillykke Martin!と書いた紙を見せ、この通りに書ける?ともちかけると、「うん、書いてみる!」と挑戦。
前から自分の名前は書けたけど、それ以外のアルファベットはどうかな?とチェックがてらお願いしてみると、書けてた。新しい発見♪


さぁ、マーティンを呼んでプレゼント。
とても喜んでもらえた♪ 
子供たちに誰が何を描いたのか聞いて、それに答えてた。 
まさにこれが塗り絵禁止週間の目的だったのだ!と一人で自己満足したいい午後でした。

目的が達成し、成功を感じる時はほんとにこの仕事は楽しくやりがいがあるな???!としみじみ思います。



ええことできたね!
子供は秘密が好きやから・・・大人も一緒かな?
何かを表現するのは本当に楽しいことやよね。
芳さんの先生姿が目に浮かびます。

それにしても、デンマークでも出来合いの塗り絵なんか使うんやね。
自由な発想の国やと思ってたのに。



この仕事は結果がなかなか目ではみえない人とのお仕事なので、こんな風に目標が達成した時は充実感で一杯になります。
過去の仕事のどれと比べてみても今の仕事は困難も一杯だけどやりがいがあり、本当に楽しいです。

デンマークもどんどんグローバル化していますよ。
ディズニーキャラクターの塗り絵も沢山、おもちゃもです。
個性を尊重する子供時代、グローバル化、物資の豊富さによってデンマークらしいものが薄れていく、それがちょっと悲しいです。

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