丁抹よろず帖
北欧デンマークに在住のメンバーから、生活感溢れるデンマークをお届け
2006/02
06
グッサリきた!
先週木曜日、心理学の授業の2日目は、 Identitet, Krise og Omsorg (Identity, Crisis & Care) というテーマで講師自身の経験を基に理論を加えながら授業が行われました。
この先生は心理学者で、20年前に自宅の前で飲酒運転で逃走中の車にひかれて当時6歳の娘を亡くしました。
トラウマを経験した人間の心理: ショック・無気力→悲しみ・怒り→アクセプト→新しい生き方 の過程を彼の心理的状況、奥さんの状態、残された10歳の娘のケアを例に挙げての授業。150人が静まり返って彼の話に聞き入った。その心理的過程を書いた日記も編集しないまま本にして出版している。彼は事件以前からこのペダゴッグ学校で心理学とペダゴギックを教えているが、その後は子供を失った親と兄弟のためのホットラインやセラピー、講演もボランティアでやっている。
自分の大切なもの・人を失う時、失った悲しみと共に今まで何の疑問も無く持っていた自分の Identity (自己認識っていうのかな?例えば、XXちゃんのママ・パパ、XXさんの奥さん・ご主人)が崩れて消え去る。
例えば自分の子供を亡くした時、子供が親を亡くしたとき、離婚・事故・病気で愛する人を失った時、そして最後に、障害者の親が自分の“夢の子供”(Dream child) を失った時。
子供を亡くした悲しみを乗り越えて亡くなった子供の思い出と共に新しい人生を生きるのとは別に、障害者の親は毎日障害がある子供の為にベストを尽くしながらも“夢の子供”を亡くした悲しみと直面しながら生きていかなくてはいけない、と先生が言った。
かなりグッサリときました。
彼の娘の話しですでに目頭が熱くなっていたところに、自分の状況にあうことを聞いて涙ぐんでしまった。
娘が健聴者だったら・・・っていう考えは聾とわかった時に「そう考えたところで娘が聞こえるようになるわけでもない。それより早く手話を習って彼女と一緒に過ごすことが大切だ。」と思ってここまで来たが、先生の言葉を聞いてグサッリくるということは未だ潜在意識の中に悲しみがあるはず。悲しみにしっかり浸ったあとに乗り越えたわけではなかったのか、悲しみと共存して生きて行くことを認識していなかったのかもしれない。
これからちょっと自分の心の中をじっくり覗いてみる必要があると実感しました。
心理学の授業で聞いた ”Dream Child” で思い出したことがあります。
去年初めの半年間、自閉症の学校で実習をしていた時に「障害者の親と学校のいい関係作り」という内容のコースを受講しました。
その時に生まれた子供が障害者だとわかった時の心境を書かれた母親、エミリー パール キングスレイさんの詩、“オランダへようこそ”を読んで、デンマークのGoogleで詩のことや、エミリーさんの履歴を調べようとしたのですが該当するものがありませんでした。
詩の内容は、誰もがもうすぐ生まれてくる子供との生活を楽しみにしている。
そして子供が生まれた直後、予想外な事実がわかる・・・「障害者」。
その日まで持っていた夢、計画が一瞬にして消えて、ショックと悲しみで一杯になる・・・困惑の日々、周りの人との違い等。
障害の種類は違っても、障害者の母親として共感するものがあったのでもう1ヶ月以上前からいつかこのブログで紹介しようとデンマーク語から直訳しておいたんです。 念のため、と思って日本のGoogleで検索したらエミリーさんのことや既にきれいに翻訳された詩がいくつか見つかったのでみなさんもそれを読んでみてください。翻訳者によって多少ニュアンスが違います。原作は英語なので英語で理解できれば一番いいのですが・・・
著作権とか、リンクを貼る規則に関して何も知らないので、詩のタイトル“オランダへようこそ”と記入して検索してください。いろいろ出てきます。
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