ゆたかとエグモント
デンマーク エグモント教員片岡豊によるWEB日記
2007/02
23
ミケエルとオーフス制度(訳文)−2
過保護的な安心から自由へ
デンマークでの障害者への支援は、以前は他の多くの国と同様に専門従事者が一番よく知っているだろうという盲目的な思い込みに基づいていた。障害者に最善の人生をあたえることを目的として、半世紀ほど前に大きく立派な施設が作られ、専門資格をもった職員が採用された。
専門性の名の下に、障害者を「ノーマル」から隔離することに焦点が合わされた。いろいろな訓練・治療プログラムによって欠陥を改善するということによって、障害者は他の市民と同じような生活をすることが出来なくなった。同時に、施設では障害者が清潔で危険のない生活を送れるように、医療的な基準に基づく生活規則と介護が支配的になった。
70年代の学生運動とその影響によって、障害も要求を掲げるようになった。施設から出ることを要求した。決まった就寝時間、堅苦しい規則、過保護的なシステムなどに反対の声を上げた。要求はごく単純で、他の人たちと同じようなごくノーマルな生活をおくりたいということだった。
デンマークで第二の都市オーフスには若い障害者のための施設がいくつかあった。要求の声が大きくなったために市当局は何とか対応しなければならなくなった。それが「オーフス制度」の生まれるきっかけとなった。
オーフス市が当初から重視していたことは、オーフス制度は当事者自身の制度であることだった。できる限り少ない規則と、可能な限り大きな自由があることだった。
結果として、当事者に現金支給をし、当事者が日常に必要なヘルパーを雇用できるようにすることになった。障害者にとっては、自宅生活をしながら自立し活動的な生活をおくる可能性を得ることになった。
さらに、多くの若者たちが、ヘルパーとして働くことによって、自分を試し、他のところでは得られない貴重な経験と体験を得ることが出来るようになった。このように世界で最初の「パーソナル・アシスタント制度」としての「オーフス制度」の土台が築かれたのだった。(続く)
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