ゆたかとエグモント

デンマーク エグモント教員片岡豊によるWEB日記
2006/01
29

言論の自由  



中近東のアラブ諸国でデンマークがボイコットされている。デンマーク産の乳製品や、工業製品の非買運動が広がっているという。発端は、デンマークの最大の部数を誇る「ユランスポストン」という日刊新聞で、イスラム教のムハメッドを皮肉ったイラストを掲載したことによる。イスラム教徒から非難の声があがり、アラブ諸国の8人の大使がデンマークの首相に面談を請うも、言論の自由をたてに相手にされず、問題がエスカレートして、デンマークのボイコットという現状に至った。喩えれば、子猫が大きなライオンに向かって「あかんべー」して怒らしているのによく似ている。子猫は、ライオンが檻に入っている間は、いくらでもえばっていられるだろうが、檻からでてきたら、逃げるよりほかはあるまい。でも子猫はライオンが檻からでてこられないことを知っているので、「べー」と言い続けていられる。でも別の見方をすると、檻に入っているのは子猫の方ともいえる。小さな檻に入っている間はライオンは何もできない。檻の中で屁しようが、舌出そうが、子猫は安全だと思っている。それはともかく、言論の自由という高尚な原則を建前に、この日刊新聞は何を言いたいのか、ここがはっきりしない。それが一番の問題だ。言論はあくまでも、ツールであること。それ自体は目的ではないという認識が、言論の自由という原則にはかけている。何のための言論の自由なのか。政治的な都合によってどのよううにでも使えわれる言論。アラブ諸国のボイコットは、今後、さらに展開してデンマークの経済にとっても大きな痛手になりそうだ。

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